新宿文化シネマ1 パラマウント映画 … 鑑想記#086
ウィークエンドのロビーではかなりの人数が次回の入れ替えを待っている。
二階上のシネマ2では『ダイハード2』、こちらはテレビコマーシャルのおかげもあってか、平日にもかかわらず何と立ち見とのこと、 それなりに面白くて評判になれば客は入るということだ。というわけで、立ち見を嫌がってこちらにまわってきた人もあって?そこそこの入りである。もちろん平日にしては、 であるが。
久々の劇場で、急に思い立ったのだが、今夜、ちょうどパート2が放映されるので、順番は逆になったが、『パート1・2』 一挙鑑賞ということになった。
オープニングは砂漠、そしてタイトル。
パート1を観てわかったことだが、そこではやはり荒涼とした草原で、シリーズ化を意識してのことだろう。
はみ出し刑事(ニック・ノルティ)に、気のいい同僚たち(結局、彼らに裏切られる…)、内務調査部の“ナメクジ野郎” (これは物語に欠かせない存在)、そして相棒(ハモンド=エディ・マーフィ)。これだけ揃えば、2,3本くらいの作品はできそうだ。
ハモンド晴れて出所。
ジェームズ・グラウンのテープが少ない私物で、「ジェームズも出所だ」。 ご本人も実際に刑務所に入っておられたのだろう、麻薬か何かで逮捕されたように記憶している。
エディの方はともかく(すっかりスーパースターになってしまった)、ニック・ノルティはイライラさせられる下手な芝居だ。 それならアクションで、あるいは存在感で、といきたいところだが、何の味も出てこない、退屈なばかり。
サンフランシスコの下町の奥深く、逃げ場のない吹き溜まりの雰囲気はよく出ていて、臨場感も申し分なかった。ただ、どうも“内幕物” というのは、いかんせん展開が重い。わかりきった結末に向けて、内容を水増ししているふじがあり、どうしてもテンポが遅くなってしまう。それにしても、 8年ぶりに出所した“相棒”と共に犯人を追うという背景設定にも、タイトルの48時間という条件設定にも、やや無理なこじつけがあった。やはり、 パート1の焼き直しを超えることはできなかったし、その間にあまりにもスターになってしまったエディ・マーディ、彼が長年服役していて久しぶりに出てくるというのは、 ストーリーに残念ながら具体的なイメージがついてこなかった。エディが一歩退いて、ニック・ノルティを引き立てるなどという、殊勝なことはできなかったということだろう。
エディである必要はなかったようだ。
監督:ウォルター・ヒル 製作:ローレンス・ゴードン/ロバート・D・ワクス 音楽:ビノ・ドナジオ 撮影:ジェームズ・ホーナー