タイトル |
恋のモンマルトル[1975/仏/82分] | |||
製作 |
クロード・ベリ | マリー | カトリーヌ・ドヌーブ | |
監督 | ラズロ・サボ | ポリーヌ | ベルナデット・ラフォン | |
撮影 | ジャン=ピエール・ボー | ジャン | ユベール・デシャン | |
音楽 | カール=ハインツ・シェーファー | ワルター | ワルター・キアリ |
出演者は、恋の女を演じ続けて世界のトップ女優の座を占めるカトリーヌ・ドヌーブ。「口唇によだれ」「私の ように美しい娘」などのヌーベルバーグのスター、ベルナデット・ラフォンがクラブの踊り子に扮して初共演。ブロンド 美人の可憐さ、赤毛の勝気なバンフ・タイプをそれぞれ見事に演じて名コンビぶりを発揮。
二人でヒット・ナンバー“ジグ・ジグ”を歌い踊り、ミュージカル・プレイの贅沢なムードを溢れさせている。 またドヌーブ自身が、この作品のテーマ曲「恋のモンマルトル」を歌うシーンは夢大き女のはかなさ哀しさを謳いあげて、 涙の滲むような名場面となっている。
二人を囲むキャストは手堅くベテラン演技陣がズラリ、「バラキ」のワルター・キアリ、「ペルーの鳥」のジャン=
ピエール・カルフォンなどが顔を並べている。
製作はクロード・ベリ、監督、脚本、台詞はハンガリー生まれの異才ラズロ・サボ。コダールの作品や「告白」などに出演したこともある若手監督。
撮影は、ジャン=ピエール・ボー、そしてカトリーヌ・ドヌーブが初プロデュースという多彩なスタッフ陣。心 ときめくパリの下町情緒のなかに、女の哀歓を美しく奏でる珠玉の名作。
美しい二人の娘−マリーとポリーヌは、この界隈でも知らぬ者とてないセクシーな踊り子。金髪色白の可憐なマリー、赤毛でバンプなポリーヌ。 二人のコンビは人気絶頂、クラブに押し寄せる男たちに流し眼をくれながら、ヒット・ナンバー“ジグ・ジグ”を歌い踊れば、モンマルトルの夜は 華麗にムードアップ。
パリの片隅ピガールの歓楽街で、踊り子マリーとポリーヌの抱く夢は、いつかスイスの雪山に豪華な山荘を建てること。それにはおカネがたくさん 要るので、二人は大胆にも世界で一番古い“女”の職業を、あっけらかんと快活にやってのける。マリーとの恋に破れてなお恋こがれ、立派な医者から 飲んだくれになったワルターにしてみれば、こんなことには耐えられない。
“にわか娼婦”マリーとポリーヌの方は、お金持ちの老人ジャンと遊興三昧。その頃、誘拐された高名なオペラ歌手であるラフィオ元大臣の奥方は、 犯人の手で、ある湖のある舟の中に監禁され、ロックン・ロールの伴奏でアリアを悲痛に歌うばかり。ラフィオ元大臣がマリーのお客の一人だったことで 事件に巻き込まれていく。
犯行がバレてしまった犯人は、クラブの舞台にガソリンをまき散らし、自分もたっぷり油をかぶってマッチをすり、威しのつもりが、つい手がすべって 全身火だるま。マリーはポリーヌを連れて、この場から逃れるもワルターがいきなりピストルを発砲。マリーを狙った弾丸がポリーヌの胸を打ち抜くという 皮肉。
マリーに抱かれて死んでいくポリーヌ、哀しい死。二人の山荘を一刻も早く建てるためにお金が欲しかった・・・どうしても欲しかった・・・。そう 言って歌うように死んでいくポリーヌ。すべてを許して泣きすがるマリー。人生−それはミラージュ。恋−それもミラージュ。歓楽の街ピガールのささいな 出来事。取るにたらない恋の終わり。
カトリーヌ・ドヌーブ
マリー
俳優一家、三人姉妹の次女。「パリジェンヌ」でデビュー。ロジェ・バディム監督と恋に
落ち、「悪徳の栄え」に出演したが、別れて20歳の時に未婚の母となる。「シェルブールの雨傘」「反発」「ロシュフォールの
恋人たち」のあと、ルイス・ブニェル監督の「昼顔」「哀しみのトリスターナ」と立て続けに主演した。
ベルナデット・ラフォン
ポリーヌ
1938年南仏に生まれ、幼い頃からダンスが好きでレッスンを受けていた。
57年にフランソワ・トリュフォー監督の「あこがれ」で夫(ジェラール・ブラン、59年に離婚)と共演し映画デビュー。ヌーベル・バーグの
代表的スターとして活躍。本作品でカムバック。「口唇によだれ」(59)、「私のように美しい娘」(72)など。
キャスト
ブルイエル…ステファーヌ・シャンドール
カルフォン…ジャン=ピエール・カルフォン
大臣夫人…ジョルジェット・アニス
大臣…ティノ・キャラコ
ブルイエル夫人…パオラ・セナトール
エーデルワイズ…ジャン=ピエール・モー
ビストロの主人…イブ・アルフォンソ
恋のモンマルトル
空にかかるあの星よ それが私のかなわぬ恋
つらい思いを引きずって 空の中に消えていく
空のまん中に光るあの星は
太陽よりもい激しく燃える
でもその星を私は手にしたい いちどだけ
生きている間に その時私は死んで行く
私は手をさしのべる
あまりに大きい愛に向かって
ラズロ・サボ
監督 脚本 台詞
ハンガリー生まれ。ゴダールの作品や「告白」などに出演したこともある。これが監督第二作目。
ドヌーブ自らプロデュースにあたった作品。
パリの空の下、恋とシャンソンとジゴロの花咲くモンマルトル。その 歓楽街ピガールの夜を舞台にくりひろげられるのは、男と女のさまざまな恋のさやあて、行き違い、あるいは見果てぬ 夢を追いかける犯罪事件とロマンの交錯。